体の中で一番大きな関節「股関節」の働き
骨盤と大腿骨を繋いでいる股関節は、体の中で一番大きな関節です。
骨盤側の寛骨臼(かつきゅう)と呼ばれる受け皿のような部分と、大腿骨の丸い先端部分が組み合わさった構造で、身体の上半身と足を繋いでいます。
一般的な関節は二軸構造といって、ドアの開閉に使う蝶番のような動きですが、股関節は三軸構造といって複雑な動きができます。
身体を屈曲させることや、脚を前後左右に広げることができるのも、股関節が三軸構造だからです。
同じように三軸構造を持つ関節として肩関節がありますが、股関節の方が複雑な構造になっています。
一方、股関節は肩関節ほど可動域がありません。
股関節には、体重の5倍の重さがかかるとも言われています。
そのため、股関節の周りには強い靭帯が取り囲んでいます。
また、関節液という体液が満たされています。
このような構造のために安定性があり、関節の摩耗や脱臼が起こりにくくなっています。
股関節周辺には、下半身へと続く神経や血管などが沢山通っているのも特徴的です。
上体を支える働きを持つ股関節ですが、人が活動したり運動したりするときには常に股関節が働いています。
股関節周囲が固まったり衰えたりすると冷え、疼痛、腰痛などが起こる
肩関節より可動域が狭いとはいえ、他の関節に比べれば股関節は動く範囲が広くなります。
ですが、股関節が硬くなったり衰えたりすると、上体が支えきれなくなるだけではなく血管やリンパ、神経が圧迫されてしまうため、冷えやしびれ、疼痛などが起こります。
また、自由に動けなくなると膝や腰にも影響が及び、痛みを感じるようになります。
股関節を鍛えるには柔軟性を高め周囲の筋力を向上させよう
股関節周りを鍛えるためには、股関節が硬くならないようストレッチを行うことがおすすめです。
柔軟性を高めることや、股関節周囲の筋肉を鍛えて大きな動きが行えるようになっていきます。
また、インナーマッスルと呼ばれる体の表面から遠い筋肉を鍛えることが重要です。
インナーマッスルは小さな負荷でも鍛えられるので、女性でも無理なく鍛えられます。
脚を肩幅よりもやや広めに開き、つま先を外側に向けて腰をまっすぐに落とすワイドスタンススクワットや、まっすぐに立った状態で片足を振り子のように横にスイングする動き、膝を曲げ太ももをできるだけ持ち上げた後に膝だけをスイングさせる動き、膝を曲げ漉しよりも高い位置に膝を持ち上げてから後ろに蹴りながら足を伸ばす動きを行います。
無理をすると股関節を傷めてしまうため、まずは動く範囲で行います。
繰り返し行っていくことで、少しずつ可動域も広くなり柔軟性も高まります。
コツコツと続けることで、股関節を鍛えていきましょう。