収入が増えるほど幸せになるとは限らない
一般的に、お金はないよりもあったほうが幸せを感じることができそうです。
幸せになるために収入を増やせばよいと考えている人も、少なくないでしょう。
ですが、ある程度の収入を超えると幸福度は変わらなくなるという研究結果がいくつかあります。
代表的なものとしては、ノーベル経済学賞を受賞したダニエルカーネマン教授の研究発表があります。
カーネマン教授は心理学者ですが、収入が増えると確かに幸福度が上がるが、年収7万5000米ドルでほぼ頭打ちになるという研究結果です。
日本円で約800万円を超えると、それ以上収入が増えても幸福度には変わりがないというのです。
どうしてこのような結果が出るのかというと、年収7万5000米ドル以上になると仕事で感じるストレスや仕事に費やす時間の長さの割合が高まり、せっかく得た収入で買い物をする、様々な体験をするといった時間が取れなくなるのです。
確かに収入が増えお金が沢山溜まるようになっても、自分が日々感じる幸福感や生活に対する満足度が減ってしまうのであれば、収入が増えることがより幸せにつながるとはいえないことが分かります。
収入が増え続ければ満足度は高まるが幸福度は頭打ちになる
もちろん、収入が増えることで自分自身の満足度が満たされ自己評価は高まります。
自分の時間を割いて仕事に打ち込み、様々な物を犠牲にしたうえで得た収入だと考えると、どれだけ自分が頑張ってその収入を得たと考えれば達成感が得られ満足度は高まるでしょう。
ですが、それが幸せなのかといわれるとどうでしょうか。
お金はあるけど心が満たされない、趣味や余暇に使う時間が得られないといった気持ちがあると、幸福にはなれません。
ある程度の収入を得つつ、自分の趣味や余暇に使う時間があり、家族や友人と笑いあいながら過ごせる時間があるほうが高い収入を得るよりも幸せに感じるでしょう。
つまり、収入と生活の質のバランスが取れた状態である方が、高すぎる収入を得ているときよりも幸福度は高まるのです。
世界一の経済大国といわれる日本ですが、国連が発表している世界幸福度ランキングを見ると、156か国の中で62位と決して高い順位とはいえません。
驚くことにこの世界幸福度ランキングで、日本は徐々に順位を下げているのです。
経済的に余裕があったとしても決して幸福度が高まるわけではないことが、このランキングを見ても分かります。
収入をたくさん得るために頑張って仕事をすることも大切ですが、幸せを感じるための時間を作ることや幸せを感じる体験を積み重ねることも大切です。
どちらも程よいバランスをとることが、より人生を豊かに幸せにしていくためのポイントになります。