人に親切にすることで恩恵が廻ってくる
とある研究結果において、日頃から他人に親切をしている人は「自分は幸福だ」と感じやすく、さらにストレスを感じにくく、心と身体も健康であるという報告がされています。
「人に親切にしよう」と言われるとボランティア活動をイメージする人も多く、さらにボランティア活動は自己犠牲であるという考え方もあります。
ですが単純に、人に親切にしていればいつか自分にもたくさんの恩恵が廻ってくるという意味なのです。
研究者であり哲学者でもあるスティーブン・ポスト教授は、Big Thinkという動画サイトにおいて「他人を助けることで自分が助けられる」と説いています。
スティーブン・ポスト氏の研究によると、ボランティア活動をしている人は、幸せと健康を強く感じる傾向にあるということが証明されています。
ふだんの生活の中で「今よりも親切」を意識する
スティーブン・ポスト氏は、ボランティア活動を強調しているワケではありません。
要するに、ふだんの生活の中で今より親切になれるよう意識しながら生活することで、その人助けした恩恵が廻り廻って自分に返ってきますよ、ということを言っているのです。
わざわざボランティア活動に参加する必要はなく、ただいつものライフスタイルの中で親切できるように努力することを推奨しています。
生活はもとより、スケジュールや人生を変えることなく、ただ自分が親切にできる場を見つけるだけでいいということでしょう。
仕事やプライベート、家事など、ふとした瞬間に誰かが助けてくれるとすごく嬉しく感じたり、安心感を得られたり、沈んでいた心が楽になったりしたことがあるはずです。
大掛かりな親切をしろと言っているワケではなく、皆のためにほんの小さな親切を積み重ねていけばよいのです。
他人に親切をして見返りを期待するのではなく、ただ純粋に人助けするという行為は、実際には自分の心や身体に良い影響を与えているのだという人間の隠れた本能を説明しています。
そしてそれを実行すれば、窮地に立たされても乗り越える回復力が培われ、多くの恩恵を受けることで幸せに繋げていけるという考え方です。
日本のことわざ「情けは人の為ならず」
実は、スティーブン・ポスト氏のこの考え方は、「情けは人の為ならず」という日本のことわざとほぼ同じことを意味していることにお気づきでしょうか。
「人に情けをかけることはその人の為ではなく自分の為である=巡り巡って自分に良いことが返ってくる」という意味となります。
実際には「人に情けをかけるとその人のためにならないからやめておけ」という間違った解釈で覚えている人も多いので、今ここで再確認しておきましょう。