推しという概念

自身の生活の中で「推し」はいますか?
推しというと、応援したいアイドルに対して使う言葉というイメージを持つ人はいるでしょう。
しかし、自分にとってとても大切な人や、自分よりも大切だと思える存在は自身にとっては「推し」なのです。

推しという感覚は、英語で幸福感という意味を持つウェルビーイングとよく似ています。
自分という人間のことはさておき、自身の周囲にいる大切な人のことを最重要課題として考えるという考え方です。
その大切な人は、自身のパートナーだったり子供ということもあるでしょう。

推しがいることがどうして幸せなのか

日常生活の中で推しがいることは、私達自身の生活を豊かにする糧となります。
例えば目に入れても痛くない自身の子供が、あなたにとっての推しメンだとします。
その場合、子供の幸せのために試行錯誤することは、自分自身の幸せとなるでしょう。
子供のために自分が犠牲を払っているという気持ちにはなりません。
子供の幸せが自らの幸せだと感じることで、自身の心の豊かさや幸福度が格段にアップするのではないでしょうか。

この「推し」の概念は、自分が働いている会社や、地域コミュニティなど社会に対しても当てはめることができます。
少しでも会社やコミュニティを良くするために、自分は試行錯誤しながら実行し、それで喜んでくれる人がいるととても嬉しい気持ちになるでしょう。

推しという気持ちは誰もが持っている自然な感情ですが、皆が同じ方向で何を幸せだと感じるかは異なります。
100人いれば100通りの推しがあると言っても過言ではなく、これはそれぞれ価値観や考え方が違うこととよく似ています。
しかし、推しの概念の根底には「自分を取り巻く環境を、できるだけ快適で幸福感の高い場所にしたい」という気持ちがあります。
この感覚は、「自由エネルギー原理」と呼ばれています。

自由エネルギー原理によって、私たちは社会を暮らしやすく多くの人が幸せだと感じる場所にしたいと考えます。
これは長期的には、サプライズが少なく居心地が良い場所を作りたい気持ちだと言えます。
居心地が良いとか、リラックスできるという感覚は、その環境の中で心をザワザワさせるサプライズ的な要素が少なければ少ないほど良いのです。

私達が自身の大切な人に対して感じている「推し」の感覚を、少し視野を広げて会社やコミュニティを対象にしてみてください。
そうすることによって、自身が暮らす生活の場所の快適さが大きくアップするでしょう。
また、社会の喜びが自身の喜びにもなり自分自身の幸福度も高まって、まさにウィンウィンの関係が生まれるのです。
推しによって構築される社会は、多くの人の推しの相乗効果によって成立する社会なのかもしれません。